○余市町公害防止条例

昭和52年8月22日

条例第17号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 公害の防止に関する施策(第6条―第12条)

第3章 公害防止に関する規制(第13条―第29条)

第4章 土壌の汚染及び地盤沈下の防止(第30条・第31条)

第5章 生活環境障害行為の規制等(第32条―第42条)

第6章 公害対策審議会(第43条―第48条)

第7章 雑則(第49条)

第8章 罰則(第50条―第54条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、町民の健康で文化的な生活を確保するうえにおいて、公害の防止がきわめて重要であることにかんがみ、公害の防止に関する町の施策の基本となる事項、その他必要な事項を定め、もって町民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「公害」とは、事業活動その他人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染・水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)・土壌の汚染・騒音・振動・地盤の沈下(鉱物の採掘のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。

2 この条例にいう「生活環境」とは、人の生活に密接な関係のある財産及び人の生活に密接な関係のある動植物、その生育環境その他の自然環境を含むものとする。

3 この条例において「届出施設」とは、工場又は事業場(以下「工場等」という。)に設置される施設で、ばい煙・粉じん・汚水・廃液・騒音・振動又は悪臭(以下「ばい煙等」という。)を発生し、排出し、又は飛散させるもののうち、その施設から発生し、排出し、又は飛散するばい煙等が公害の原因となるもので規則で定めるものをいう。

4 この条例において「規制基準」とは、届出施設から発生し、排出し、又は飛散するばい煙等の量・濃度又は程度の許容限度をいう。

(事業者の責務)

第3条 事業者は、その事業活動に伴って生ずる公害を防止するために必要な措置を講ずると共に国・道又は町が実施する公害の防止に関する施策に協力する責務を有する。

2 事業者は、公害の防止に関する法律又は条例に違反しないことを理由として、公害の防止のための努力を怠ってはならない。

(町の責務)

第4条 町は、第1条の目的を達成するため、国及び道の行う施策に合せ、町の自然的・社会的条件に応じた公害の防止に関する施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

2 町は、広域的な公害の防止をはかるため、必要に応じ隣接する他の地方公共団体と共に、その施策を講ずるよう努めなければならない。

3 町は、前項の施策を実施するに当たり、町民の理解と協力を得られるように努めなければならない。

(町民の責務)

第5条 町民は、公害を発生させることのないように努めると共に、町その他の行政機関が実施する公害の防止に関する施策に協力しなければならない。

第2章 公害の防止に関する施策

(土地利用における公害防止)

第6条 町長は、地域の開発又は再開発等土地利用に関する施策の策定及び実施に当たっては、公害の防止と生活環境の保全に充分配慮しなければならない。

(調査・研究等の体制の整備)

第7条 町長は、公害防止のために必要な調査・研究等を行うと共に、公害発生状況を監視・測定等の体制の整備に努めなければならない。

(技術指導)

第8条 町長は、必要と認めたときは工場等に対し関係職員に技術上の指導若しくは指示を行わせることができる。

(指導監視等)

第9条 町長は、工場等が原因不明、又は不測の公害が発生しないよう、常に指導監視し、工場等はこれに従わなければならない。

(公害に係る苦情等の処理)

第10条 町長は、公害に係る苦情があったときは、速やかに実情を調査し、その苦情を適切に処理するように努めなければならない。

(資金の援助等)

第11条 町長は、中小企業者等が行う公害防止のための施設の設置又は改善等について、必要な資金の貸付、斡旋、技術的な助言その他の援助に努めなければならない。

(公害防止協定の締結)

第12条 事業者は、町長が町民の健康保護及び生活環境保全のために必要があると認めて、公害の防止に関する協定の締結について協議を求めたときは、誠意をもってこれに応じなければならない。

第3章 公害防止に関する規制

(ばい煙等発生施設の管理等)

第13条 事業者は、工場等からばい煙等を発生し、排出し又は飛散させる施設を適正に管理すると共に、その状況を常に監視しなければならない。

(粉じん・騒音・振動等の発生防止)

第14条 事業者は、工場等の周囲に緩衝地帯・へい・その他の設備を設ける等により粉じん・騒音・振動等を防止するように努めなければならない。

(事故時の措置)

第15条 事業者は、工場等において公害に係る事態が発生し又は発生するおそれがあるときは、直ちに町長に通報すると共に応急の措置を講じなければならない。

2 前項に規定する措置を講じたときは、その状況を速やかに町長に報告しなければならない。

(規制基準の設定)

第16条 町長は公害を防止するため法令及び道条例で定めるものを除き、規則で規制基準を定めるものとする。

2 前項に規定する規制基準を定めようとするときは、あらかじめ公害対策審議会の意見を聞かなければならない。これを変更し、廃止しようとするときもまた同様とする。

(規制基準の遵守義務)

第17条 届出施設を設置している者は、当該届出施設に係る規制基準を遵守しなければならない。

2 前項の規定は、1つの施設が届出施設となった際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)については、当該施設が届出施設となった日から1年間は適用しない。

(届出施設の設置等の届出)

第18条 工場等に届出施設を設置しようとする者は、規則の定めるところにより次の各号に掲げる事項を町長に届出なければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

(2) 工場等の名称及び所在地

(3) 届出施設の種類

(4) 届出施設の構造

(5) 届出施設の使用の方法

(6) ばい煙等の処理の方法

(7) その他規則で定める事項

(届出施設の経過措置)

第19条 一の施設が届出施設となった際現に工場等に施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、当該施設が届出施設となった日から30日以内に規則で定めるところにより、前条各号に掲げる事項を町長に届出なければならない。

(構造等の変更の届出)

第20条 前2条の規定により届出をした者は、第18条第1項第4号から第6号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、規則で定めるところによりその旨を町長に届出なければならない。

(計画変更命令)

第21条 町長は、第18条第1項又は前条に規定する届出があった場合において、その届出内容が規制基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から60日以内に限り、当該届出した者に対しその届出に係る構造及び使用方法若しくは処理方法の変更あるいは、設置計画の廃止を命ずることができる。

(受理)

第22条 町長は、第18条から第20条までの規定による届出のあった場合は、届出をした者に対し規則で定めるところにより、受理した旨を通知しなければならない。

2 前項の届出の受理に当たっては、ばい煙等の発生、排出又は飛散による公害の防止に必要な措置について条件を付すことができる。

(実施の制限)

第23条 第18条又は第20条の規定により届出をした者は、その届出が受理された日から60日を経過した後でなければ、それぞれの届出に係る施設等を設置し又は構造等の変更をしてはならない。

2 町長は、第18条又は第20条に規定する届出の内容が相当であると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。

(氏名等の変更又は廃止の届出)

第24条 第18条又は第19条の規定による届出をした者は、その届出に係る第18条第1項第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があったとき又はその届出に係る施設の使用を廃止したときは、その日から30日以内に規則で定めるところにより、その旨を町長に届出なければならない。

(承継)

第25条 第18条又は第19条の規定による届出をした者から、その届出に係る施設を譲り受け又は借り受けた者は、当該施設に係る当該届出をした者の地位を承継する。

2 第18条又は第19条の規定による届出をした者について、相続又は合併があったときは相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は当該届出をした者の地位を承継する。

3 前2項の規定により第18条又は第19条の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があった日から30日以内にその旨を町長に届出なければならない。

(廃棄物の処理)

第26条 事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において、適正に処理しなければならない。

2 事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行うことにより、その減量に努めると共に、物の製造・加工・販売に際してその製造・加工・販売等に係る製品・容器等が廃棄物となった場合において、その適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。

(改善勧告)

第27条 町長は、届出施設から発生し排出し又は飛散するばい煙等が、規制基準に適合しないと認めるとき又は適合しないおそれがあると認めるときは、当該ばい煙等を発生し排出し又は飛散させる者に対し期限を定めて届出施設の構造若しくは、使用の方法又はばい煙等の処理の方法等を改善すべきことを勧告することができる。

(改善命令)

第28条 町長は、前条の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その者に対し期限を定めて同条の事態を除去するために当該届出施設の構造若しくは使用の方法又はばい煙等の処理の方法等を、改善すべきことを命ずることができる。

2 前項の規定による命令を受けた者は、当該命令に基づく改善を行ったときは速やかに、その旨を町長に届出なければならない。

(停止命令)

第29条 町長は、前条第1項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、その者に対し届出施設の全部又は一部の使用の一時停止を命ずることができる。

第4章 土壌の汚染及び地盤沈下の防止

(土壌汚染の防止)

第30条 工場等は、カドミウム・その他、人の健康を阻害する物質を含むものを発生し、排出し、又は飛散させて土壌の汚染を生じさせてはならない。

(地盤沈下の防止)

第31条 工場等において、動力を用いる設備を設けて地下水を採取する者は、地下水の採取に伴う地盤の沈下を防止するよう努めなければならない。

第5章 生活環境障害行為の規制等

(塗装作業の規制)

第32条 動力を使用して吹付け塗装作業を行おうとする者は、風向等の気象状況を考慮し附近の生活環境を害しないように努めなければならない。

(農薬の使用制限)

第33条 農作物・森林及び林産物を害する動植物の駆除に用いる薬剤を使用し又は処理するものは、その使用基準及び処理方法を遵守しなければならない。

(畜舎及び加工場等の管理義務)

第34条 現に畜舎を設置し及び加工場を営むもの、又はあらたに畜舎を設置し及び加工場を営むものは、その施設並びに付帯施設を整備し汚物・汚水を適正に処理し常に清潔で良好な管理をすることにより、悪臭・その他の公害及びハエ等の昆虫を発生させないよう生活環境の保全に努めなければならない。

2 町長は、畜舎及び加工場を設置しようとする者に対し公害を防止するため、設置する区域を制限することができる。

(水産物等の運搬)

第35条 水産物等の運搬を行う者は、積載方法の不備等によって道路上に魚介類等を落下し又は放置しないよう努めなければならない。

(船舶使用者等の規制)

第36条 何人も港内外において、油類及び廃棄物を排出し港内外を汚染してはならない。

2 船舶を使用し又は所有する者は、港内外において魚介類・土石・その他散乱するおそれのあるものを船舶に積みおろしする場合は、これらの物が散乱することのないよう必要な措置を講じなければならない。

(野外における焼却行為の制限)

第37条 何人も住居が集合している地域において、みだりにばい煙・粉じん・有害ガス又は悪臭を著しく発生するおそれのあるものを野外で多量に焼却してはならない。

(自動車等の使用及び管理義務)

第38条 自動車等(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。以下同じ。)を使用する者及び所有する者は、必要な整備と適正な運転を行い大気の汚染及び騒音の防止に努めなければならない。

2 自動車等を使用し又は所有する者は、駐車場・車庫・路上及び空地において自動車等のエンジンを始動したまま故意に連続して、騒音を発し附近の静穏を害してはならない。

(拡声機の使用制限)

第39条 何人も病院(診療所を含む。)又は学校の周辺の地域、その他騒音を防止することにより住民の生活環境を保全する地域であって規則で定める地域においては拡声機を使用してはならない。

2 前項に定めるものを除くほか何人も拡声機を使用するときは、拡声機の使用の時間及び場所並びに音量等について規則で定める事項を遵守しなければならない。

(夜間の静穏保持)

第40条 何人も夜間(午後10時から翌日の午前6時までの間をいう。以下同じ。)においては静穏な生活環境を保全するため、必要以上の音量を発生させないように努めなければならない。

2 飲食店・遊戯場・その他これらに類するもので夜間にわたる営業を営む者は当該営業を営む場所において音響機器音・楽器音又は人声等による騒音を発生させること等、附近の静穏を害する行為をし又はさせてはならない。

(適用除外)

第41条 第39条及び第40条第1項の規定は、規則で定める公共の為の拡声機の使用については適用しない。

(規制基準の定めのない公害の防止に関する勧告)

第42条 町長は、他の法令・道条例又はこの条例によりその規制に関する基準が定められていないばい煙等、他の法令・道条例又はこの条例による規制の対象とされていない人の活動に伴い、発生するばい煙等により公害が発生し又は発生するおそれがあると認めるときは、その公害を発生している者又は発生のおそれのある者に対し当該公害の防止のために、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

第6章 公害対策審議会

(審議会の設置等)

第43条 町の公害対策に関する事項を調査審議するため、余市町公害対策審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、町長の諮問に応じ公害対策に関する必要な事項を調査審議する。

3 審議会は、公害対策に関し必要と認める事項を町長に建議することができる。

(組織)

第44条 審議会は、委員12人以内で組織する。

2 委員の構成は、次のとおりとし、町長が委嘱する。

(1) 関係行政機関の職員

(2) 学識経験者

(3) その他町長が適当と認めた者

3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第45条 審議会に会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員のうちから互選する。

3 会長は、審議会を代表し会務を総理し会議の議長となる。

4 副会長は、会長を補佐し会長事故あるときはその職務を代理する。

(会議)

第46条 審議会の会議は、会長が招集する。

2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し可否同数のときは議長の決するところによる。

(部会)

第47条 審議会は、必要に応じ専門の事項を調査審議するため部会を置くことができる。

2 部会に属すべき委員は会長が指名する。

3 部会に部会長を置き所属委員の互選により決める。

4 部会長は部会の事務を掌理する。

5 部会長に事故あるときは、あらかじめその指名する委員が職務を代理する。

(専門委員)

第48条 審議会に専門の事項を調査させるために必要があるときは、専門委員を置くことができる。

2 専門委員は、学識経験のある者のうちから町長が委嘱する。

3 専門委員は、当該事項の調査が終了したときは解任されるものとする。

第7章 雑則

(報告及び検査)

第49条 町長は、この条例の施行に必要な限度において届出施設を設置するもの又は拡声機を使用する者に対し、必要な事項の報告を求め又はその職員に当該届出施設を設置する者の工場等に、立ち入り設備その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査する職員は、その身分を示す証明書を携帯し関係人に提示しなければならない。

第8章 罰則

(罰則)

第50条 次の各号の一に該当する者は、10万円以下の罰金に処する。

(1) 第28条第1項の命令に違反した者

(2) 第29条の命令に違反した者

第51条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の罰金に処する。

(1) 第18条から第20条までの規定により、届出をせず又は虚偽の届出をした者

(2) 第23条の規定による受理前に設置又は変更した者

第52条 次の各号の一に該当する者は、3万円以下の罰金に処する。

(1) 第15条の規定により報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(2) 第49条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者又は立入検査を拒み妨げ、若しくは忌避した者

(両罰規定)

第53条 法人の代表者又は法人若しくは、人の代理人・使用人・その他の従業者がその法人又は人の業務に関し前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(規則への委任)

第54条 この条例の施行について、必要な事項は規則で定める。

附 則

(施行期日)

この条例は、公布の日から起算して6か月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(昭和52年8月規則第12号で、同53年2月20日から施行)

附 則(平成15年6月17日条例第19号)

(施行期日)

1 この条例は、平成15年8月19日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行に伴い新たに委嘱される余市町公害対策審議会の委員の任期は、改正後の第44条第3項の規定にかかわらず、平成16年3月31日までとする。

附 則(平成19年3月23日条例第6号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

余市町公害防止条例

昭和52年8月22日 条例第17号

(平成19年4月1日施行)

体系情報
第8類 生/第6章 環境保全
沿革情報
昭和52年8月22日 条例第17号
平成15年6月17日 条例第19号
平成19年3月23日 条例第6号