○余市町子どものいじめ防止条例

平成27年5月27日

条例第21号

(目的)

第1条 この条例は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)の趣旨を踏まえ、子どもに対するいじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処(以下「いじめ防止等」という。)に関する基本理念を定め、町、学校、保護者、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、いじめの防止を図るための基本的な事項を定めることにより、子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) いじめ 子どもと一定の人間関係にある他の子どもが行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)により、当該行為の対象となった子どもが精神的又は肉体的な苦痛を感じるものをいう。

(2) 子ども 小学校に在籍する児童及び中学校に在籍する生徒をいう。

(3) 学校 余市町立学校設置条例(昭和39年余市町条例第2号)第2条別表第1及び別表第2に掲げる小学校及び中学校をいう。

(4) 保護者 親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。

(5) 町民 町内に居住する者並びに町内に通勤する者及び通学する者をいう。

(6) 事業者 町内において事業を営む者並びに公益的な活動を行う個人及び団体をいう。

(7) 関係機関等 警察署、児童相談所その他の子どものいじめの問題に関わる機関及び団体をいう。

(基本理念)

第3条 いじめ防止等の対策は、いじめが全ての子どもに関する問題であるとの認識に立ち、子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境を整えることを目指し、行うものとする。

2 いじめ防止等の対策は、いじめが心身に深刻な影響を及ぼすこと、及び全ての子どもがいじめを行わず、人との豊かな人間関係を築き、互いに相手を尊重しなければならないことについて、子どもの理解を深めることを目指し、行うものとする。

3 いじめ防止等の対策は、いじめを受けた子どもの生命及び心身を保護することが最も重要であることを認識し、社会全体でいじめの問題を克服することを目指し、行うものとする。

(いじめの禁止等)

第4条 子どもは、いかなる理由があってもいじめを行ってはならない。

2 いじめを発見した子どもは、これを放置せず、学校若しくは保護者に通報又は相談をするよう努めるものとする。

(余市町いじめ防止基本方針)

第5条 町長及び教育委員会は、法第11条の規定による国のいじめ防止基本方針(以下「いじめ防止基本方針」という。)を参酌し、共同して、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「余市町いじめ防止基本方針」という。)を定めるものとする。

2 町長及び教育委員会は、余市町いじめ防止基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、第13条の余市町いじめ防止対策委員会の意見を聴かなければならない。

(町の責務)

第6条 町長は、第3条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、学校、保護者、町民、事業者及び関係機関等と協力し、いじめ防止等のために必要な施策を講じなければならない。

(学校及び教職員の責務)

第7条 学校は、いじめ防止基本方針及び余市町いじめ防止基本方針を参酌し、自らの学校を対象とする学校いじめ防止基本方針を定め、これを公表するものとする。

2 学校及び教職員は、基本理念にのっとり学校全体で子どもの見守りに努め、いじめの未然防止に取り組むとともに、早期発見と早期対応に努めなければならない。

3 学校及び教職員は、さまざまな教育活動を通じて、人と人との関わりが豊かなものとなるように配慮し、子どもがいじめを許さない心情や態度を育むための教育活動の充実に努めなければならない。

4 学校及び教職員は、いじめを認知したとき、又はいじめの通報や相談を受けたときは、速やかにその事実を確認し、組織的対応を講ずるとともに、教育委員会に報告し、必要に応じて町、関係機関等と連携して解決に当たらなければならない。

(保護者の責務)

第8条 保護者は、基本理念にのっとり、子どもの成長及び発達に応じて適切な支援を行うとともに、子どもの心情を理解しながら、子どもが心身ともに安心して過ごせるよう努めるものとする。

2 保護者は、いじめを正しく認識するとともに、子どもに対し、いじめは許されない行為であることを十分に理解させるよう努めるものとする。

3 保護者は、いじめを発見したとき、又はいじめのおそれがあると思われるときは、速やかに学校若しくは教育委員会又は関係機関等に通報又は相談をするように努めるものとする。

(町民及び事業者の責務)

第9条 町民及び事業者は、基本理念にのっとり、地域において子どもに対する見守り、声かけ等を行うことにより、子どもが安心して過ごすことができる環境づくりに努めるものとする。

2 町民及び事業者は、いじめを発見したとき、又はいじめのおそれがあると思われるときは、速やかに学校若しくは教育委員会又は関係機関等に情報を提供するよう努めるものとする。

(相談体制の整備)

第10条 町は、いじめを早期に発見し、対処するため、子ども、保護者、町民及び事業者の相談又は連絡ができる体制を整備し、これを周知するよう努めるものとする。

2 学校は、いじめを早期に発見し、対処するため、第12条第1項第3号の専門的知識を有する者を活用し、子どもの状況を把握するとともに、子ども及び保護者が相談できる体制の整備に努めるものとする。

(広報及び啓発)

第11条 町は、子ども、保護者、町民及び事業者に対し、いじめの防止等に関する広報及び啓発活動を行わなければならない。

(いじめの防止等)

第12条 町は、いじめの防止等を行うため、次に掲げる取組を推進しなければならない。

(1) 子ども一人ひとりが、いじめを許容しない認識をもち、いじめをなくすために主体的に行動する力を育成する取組

(2) 学校におけるいじめの実態を把握する取組

(3) 心理、福祉及び法律に関する専門的知識を有する者(以下「専門的知識を有する者」という。)を学校に派遣し、いじめの相談及び対処を支援する取組

(4) その他町が必要と認める取組

2 町は、前項第2号の学校におけるいじめの実態を把握する取組を実施したときは、その結果を次条の余市町いじめ防止対策委員会に報告するものとする。この場合において、町は、個人情報等の保護について最大限の配慮をしなければならない。

(余市町いじめ防止対策委員会の設置)

第13条 教育委員会の附属機関として、余市町いじめ防止対策委員会(以下「対策委員会」という。)を設置する。

2 対策委員会は、次に掲げる事務を所掌する。

(1) 教育委員会の諮問に応じ、いじめの防止等のための対策を推進する重要事項の調査及び審議を行うこと。

(2) 第15条第1項の重大事態の調査及び審議を行うこと。

3 対策委員会は、前項に規定する調査及び審議を行うために必要があると認めるときは、関係者に対して資料の提出、説明等協力を求めることができる。

4 対策委員会の委員は、5人以内とし、次に掲げる者のうちから教育委員会が任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) いじめの防止等に関する知見を有する者

5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 委員は、再任することができる。

7 対策委員会に委員長を置き、会務を総理する。

8 対策委員会の会議は、委員長が招集し、会議の議長となる。

9 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長が決するところによる。

10 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

11 対策委員会は、調査及び審議結果について速やかに教育委員会に答申し、又は報告しなければならない。

12 教育委員会は、前項の規定による答申又は報告を受けたときは、その内容を町長に報告しなければならない。

(対策委員会への協力)

第14条 学校、保護者、町民、事業者及び関係機関等は、対策委員会の活動に協力するものとする。

(重大事態への対処)

第15条 学校は、法第28条第1項各号に規定する重大事態(以下「重大事態」という。)が生じたときは、速やかに教育委員会に報告し、教育委員会は、対策委員会に調査及び審議をさせなければならない。

2 学校は、重大事態が生じたときは、法第30条第1項の規定により、教育委員会を通じて速やかに町長にその旨を報告しなければならない。

3 町長は、前項の規定による報告を受け、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、次条の余市町いじめ調査委員会に第1項の調査の結果について、法第30条第2項の規定による調査をさせることができる。

4 町長は、前項の調査が終了した場合において、必要があると認めるときは、関係者に対し是正の措置を要請し、その対応状況を報告させるものとする。

5 町長は、第3項の調査が終了したときは、その結果を議会に報告しなければならない。

(余市町いじめ調査委員会の設置)

第16条 町長は、前条第3項の調査を行う必要があると認めるときは、町長の附属機関として余市町いじめ調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置することができる。

2 調査委員会の委員は、5人以内とし、次に掲げる者のうちから町長が任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) いじめの防止等に関する知見を有する者

(3) 前2号に掲げる者のほか、町長が適当と認める者

3 委員の任期は、町長が任命した日から、当該調査が終了したときまでとする。

4 委員は、対策委員会の委員と兼ねることができない。

5 調査委員会に委員長を置き、会務を総理する。

6 調査委員会の会議は、委員長が招集し、会議の議長となる。

7 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長が決するところによる。

8 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(補則)

第17条 この条例の施行について必要な事項は、別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平成27年規則第35号で平成27年8月26日から施行)

(余市町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 余市町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和35年余市町条例第2号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

余市町子どものいじめ防止条例

平成27年5月27日 条例第21号

(平成27年8月26日施行)