余市でおこったこんな話「その223余市弁」

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大勢が集まった時に全員揃ったか、貸し切ったバスなどにみんなが乗ったかを確かめる時に、年配の方が「まんぼとれ」と言われることがあります。

「まんぼ」とは「万棒」と書いて、ニシンの加工品を運びだす時、俵を数えるために使う薄くて細長い木片をいいます。『増補改訂版 北海道方言辞典』(北海道新聞社発行1991年以下、辞典)にも「マンボトル」が載っています。その意味は「鰊の数量を数える」とあり、それが聞かれて記録された採録地は「利尻」となっています。

ニシン漁で使われた道具や漁の仕方にまつわる言葉は、北海道の日本海側の南から北まで、オホーツク海側までも若干含む広い範囲の共通語でした。利尻でも余市でも「まんぼとれ」は共通語だったはずです。

この辞典は昭和30年代以降の北海道各地の方言調査をもとにして編まれたもので、余市町で採録された言葉も20語ほど掲載されています。いくつか列挙します。

・イロオミル連語魚群を見る。ニシンやイワシは浮く魚なので海の色で群来がわかる。「ニシン来るころになると、沖がかりしてイロオミルのに真剣だ」

・ガコ名詞漬物「おかずいらない。ガコさえあえば」道内ではオゴッコが多い。

・ムリクリ副詞むりやり。ムリクラともいう。 

「今日中にムリクリでかす気だ」

・メクラン名詞ネルの模様つきのシャツ

北海道の海岸の方言は、室町時代以降、青森や秋田などの北東北地方の方言に由来するといわれています。

渡島半島東側(下海岸)と松前方面の方言は、それぞれの対岸、前者は下北半島、後者は津軽方面の方言の影響を受けていると言われています。そこから日本海沿岸や太平洋の沿岸一帯に細長い帯状に広がり、アイヌ語との接触も経験しながら、北海道方言ができあがっていきました。ムラサキウニは「ノナ」とも言います。シシャモやラッコはアイヌ語が語源です。

内陸部の方言も、明治以降、日本列島の様々な地域から移住してきた人々が、それぞれの土地の方言を持ち込みました。鉄道網が各地にのびて、さまざまな産業が発達したことで人々の交流が活発になり、海岸線と内陸の方言は互いに接触し影響を与え合って、今日の形の北海道方言が成立しました。

余市町では、福島県や秋田県などから余市川流域に入植された人たちがたくさんいます。お隣の仁木町でも四国地方などからの入植者もいて、たくさんのお国言葉が聞かれた時代があったと思います。

北海道弁として有名な「ナマラ」も、海岸線の一地域で主に年配の方が使う方言ととらえられていたものが、道内に広まりました。テレビ等の影響があったのかもしれません。

辞典にない言葉もあります。「ボップソリ」または「ボップ」はプラスティック製のソリのことです。スイスで発明されたボブスレー競技のソリが語源でしょうか。 

昭和40年代中頃には余市、小樽、蘭越や古平でも「ボップ」が使われていて、後志管内以外では稚内でも聞かれたようです。

方言調査の後に生まれた新しい言葉なのかもしれません。

ボップソリ

写真:ボップソリ

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総合政策部 政策推進課 広報統計係
〒046-8546 北海道余市郡余市町朝日町26番地
電話:0135-21-2117(直通)FAX:0135-21-2144

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