余市でおこったこんな話「その255 観光農園 その2」
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三愛観光農場の観光農園は好調だったようです。同農場は冬でも観光客が来てもらえるように、ドーム型の大きな温室を建てました。
鉄骨造りの温室の高さは5mほどで広さ200㎡、内部はボイラー暖房と太陽光で温められる仕組みになっており、花などの鉢物が並べられていました。
オープンして3年目の昭和42(1967)年5月21日、この年の観光農場開きがに盛大に行われ、当時の海野町長、吉田観光協会会長さんはじめ20人ほどが集まって「ブロイラーパーティー」を楽しんだそうです。
昭和40年代はじめ、余市町や近隣の町村への観光客の入込数は年々増加しており、今後も観光客が千人単位で増えると同園は予想しています。
三愛観光農場の好調に刺激されたのか、この年の秋、観光客向けに果物狩りの「あっせん会社」を立ち上げようという動きが現れました。
同年9月22日の新聞記事には「余市、仁木地方には広い果樹園がありながら、現在、観光客を受け入れる体制が整っていない。そこで果樹農家とタイアップし、観光客にリンゴ、ブドウ狩りのあっせんをしようという会社の設立準備が、一部有志の間で進められている」とあります。
この構想は9軒の果樹農家、4軒の観光業者が株主になる予定で、ブドウ狩り(1人200円)、リンゴ狩り(同100円)の入園料を想定していました。
このお話は実現し、株式会社『観光農園』が設立されました。
同社の関係者が感じていたのは「余市、仁木が積丹、岩内方面の観光の入り口となっていながら、いつも観光客が素通りする」ことで、設立前から試験的に果物狩りを企画し、オープン直後のモイレ城閣での食事や入浴もセットにしました。
あっせん先の仁木町のブドウ園を訪れた第一陣の来園者はおよそ150人、続いて200人ほどの団体客が果物狩りを楽しんだので、好調な出だしだったといえます。
翌43年には大浜中地区に新たな観光農園、フルーツガーデンが誕生しました。国道5号線の東大浜中のバス停から内陸に700mほど入ったところに鉄筋造りの2階建ての建物ができました。
1階は日本間2部屋と4畳半1部屋、2階はほぼ全面ガラス張りの喫茶ルームで、園内には幅4mの遊歩道が巡っていました。ジンギスカンなどの焼き肉が好評で、平日に30から50人、週末には100人ほどの人が来園したそうです。
この年ふたつ目の観光農園、永谷園クロップガーデンが豊丘町にオープンしました。豊丘小学校のすぐそばで、大型駐車場やトイレが完備され、こちらもジンギスカンを食べることができました。
昭和43年の観光農園の好調さが記事に見えます。「余市名産のブドウはことし豊作。黒色の『キャンベルス』と青色の『ナイヤガラ』がいま収穫期。ブドウ狩りの団体は今月にはいってからぼつぼつ来始めていたが、いまがちょうどピーク。この日訪れた団体の“王様”は道庁の職員、家族約二千三百人の一行。今シーズン最大の規模で、大型バス四十台を連ねて山田町のブドウ園入りし、一帯を人、人、人で埋め尽くした」
写真 フルーツガーデン(観光パンフレットより)
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