余市町でおこったこんな話 その159「ソーラン節」

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ヤーレンソーランのかけ声でお馴染みの「ソーラン節」は、沖揚げ音頭と呼ばれる、ニシン定置網漁の作業唄のひとつです。十数人が乗り込んで力をあわせて船を漕ぐ、向かい合った2艘の船の間で50メートル以上の長さの網を手繰り寄せる、網に入った魚群を大きなタモ網で汲み上げるなど、どの作業も大勢が力を合わせなければ出来ないものでした。大型の船や網を使うようになった頃から、それぞれの作業にあわせた”うた„が出来て、「鰊場の仕事は"うた„で始まって、”うた„で終わるものだ」と言われました(『鰊場物語』内田五郎著)。
大型の定置網はいつ頃から使われるようになったのでしょうか。江戸時代の文化年間(1804~18)、釧路や根室など道東で行成網と呼ばれる大型網が登場し、日本海側の鰊漁にも使われ始めました。早いところでは、弘化年間(1844~48)の増毛地方、次いで嘉永年間(1848~54)の寿都地方で使われ、その後、余市地方でも安政年間(1854~60)の古文書に見られるようになるので、この頃が沖揚音頭の唄われ始めだったと思われます(『北海道の生業2』)。
もっとも、行成網が使われる前にも笊網という大型のまき網類が使われ、大人数で操業していたので、笊網による操業時でも作業唄はあったかもしれません。
沖揚げ音頭は、まず一人が唄い、それに続いて他の皆が唄うものが基本です。最初の独唱を「ハオイ」、斉唱を「シタゴエ」といいます。沖の定置網との往復に船を漕ぐ時にうたうのは「船漕ぎの唄」、鰊のはいった定置網を手繰り寄せる時は「網おこしの唄」、定置網から枠網(運搬用の別の網)に魚群を落とし込む時に唄うのは「木遣り音頭」、枠網に大タモを差し入れて別の船に汲み移す時にうたうのが「ソーラン節」でした(写真)。網目に付着した魚卵を叩き落とす時には「子たたき音頭」がうたわれました。
「ハオイ」を唄うのは、作業効率を左右する大事な役目で、作業全体を見ながらテンポを変えたり、おもしろいい歌詞を創作する頭のよい者が指名され、地域によってはハオイ船頭という役職を与えたところもありました。
当時うたわれていたソーラン節の歌詞は、現在われわれが耳にするようなものばかりでなく、「親方の悪口であったり、近所のオカミさん連中をひやかす歌詞であったり、赤面するようなもの」だったそうです(『なづきとぼんのぐとあぐど』おでこ、うなじ、かかと)。
余市町オリジナルのソーラン節の歌詞でのこっているものをいくつか記します。
「湯内よいとこ一度はござれ浜に黄金の花が咲く」(湯内は豊浜町)
「ここは湯内身は島泊灯いらずのローソク岩」(島泊は潮見町)
「沖のローソク岩どんとうつ波は可愛い船頭衆の度胸ためし」

写真:沖揚げ作業(奥寺漁場)

写真:沖揚げ作業(奥寺漁場)

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